淡い鼠色の料紙に書かれた大方廣佛華厳経第十一の巻末。薄墨経の料紙は故人の消息を供養のために漉き直したものと云われており、本品も個人を偲んで書かれたであろう、優しく、落ち着きのある字が淡い優しく漉いた紙に写経されています。表具も、文字、紙に合わせた落ち着きのある同系色の時代裂を使用してある品の良い清らかな印象で、より一層、美しさを惹き立てていると思います。古写経は、知識がないと、なかなか一歩を踏み出せない分野と思われがちですが、本品は知識がなくても、見て直感的に魅力を感じて頂けるものです。床の間じゃない現代の空間にも非常に掛け易い表具に仕上げられています。平安時代。
本紙 縦 25 横 40.5、 全体 縦 104 横 54.5 (cm)
売約済 ありがとうございました。