木彫の如意輪観音像。ここまで穏やかな表情で温かみのある慈悲深いお姿はなかなかないと思います。虫食い、後補がありますが、顔に補修はありません。一見、民衆仏のように見えますが、おそらく親しみやすい優しい姿に彫られているが故のことでしょう。非常に良く彫れれており、この表情、衣裳などは仏師でないとできない表現だと思います。院派あたりの影響を受けているかもしれません。如意輪様は民間でも古くから信仰されており、東日本では十九夜講などが盛んだったようですが、なぜか西日本では大和高原(奈良高原)北部に特異な飛び地で集中して信仰されているようで、その際などに本尊としていたもののかもしれません。東北出身で奈良に住む僕にはなかなか興味深いことです。時代相応の経年変化、また補修があり、虫食い、カケなどもございますので充分ご確認の上ご注文下さい。南北朝~室町時代。
縦 10 横 14 高さ 18 (cm)
売約済 ありがとうございました。