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過去からの気配

ISAAC ASIMOV古いものを観ているとまるで昔の人も同じ感覚で観ていたのではないかとという錯覚に陥るときがある。

物理学では時間と空間からなる4次元に物質は存在していると考えれているが、その時間的スピードは観測者の運動状態が異なっていればスピードも異なると考えれているらしい。

もし、パラレルワールドが存在するのであれば同じものを観ている別の人間が存在しているのかもしれないし、古いと思っていても別の世界ではそう古くないものかも知れないし、もっと古いものかもしれない。しかし、同じものを観てきっと何かを感じているのだろう。僕らはもしかしたら、そういうものを古いものからを感じ取っているのかもしれない。モノをみて何かを感じることは、時空を超えて過去や未来と何らかの繋がりを持つ行為ではないのだろうか。過去との繋がりは古いものだから理解してもらえても、未来と考えると些か混乱してしまうかもしれない。しかし、古いものから何かを感じ取り、新しいもののソースになっているものが数多く存在している現実を考えれば、未来と繋がっているという考え方も決して間違ってはいないと思う。同じものをみて過去の人間と現在の人間が美しいと思うことは過去と繋がりをもてるすばらしいことのように感じる。それが未来へ繋がればもっとすばらしく美しいことだ。

時間と空間を越えた共通の意識を感じさせるようなもの。そういうものを探求したい。

 

2012/09/20

vol.104 ものと社会情勢  ≪ 三坂堂通信 ≫ vol.106 古美術の持つ意味