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Lock, Stock and Two Smoking Barrels

Lock, Stock and Two Smoking Barrels 僕の好きな映画。1998年ガイ・リッチー監督作品で、ハリウッド映画が嫌いなわけじゃないけどイギリス映画の方が好み。ちょっと前の1996年の「トレインスポッティング」も好き(トイレの映像はかなり印象深い)。15年近い作品だけど、今観ても古さを感じさせない。クライムスト-リーで、銃撃で人は死ぬシーンも多く、ドラッグがらみで上品な映画とはお世辞にも言えないけどストーリー、映像、音楽、個性的な登場人物がバランスよく観ていて爽快な作品(ちょっとかっこよすぎる所もあるけど)。次のスナッチも良いけど、僕はロック・ストック派。

古道具屋の眼から観ても、部屋のインテリアや撮影場所の建物の雰囲気も手を抜いていないガイ・リッチーの感性はさすが。フィクションやファンタジーであるからこそ、背景にリアティーがほしい。面白い映画ってセットや小道具にも手を抜いていない。僕は、映画からインテリアになりうる古道具のヒントなどのインスピレーションをもらうことが多いのでガイ・リッチーはその点でもすごいと感じる。

でも、1番感心するのは登場人物、特に脇役のキャラクターにもリアリティーを感じる。ファッションも然り、ヘアースタイルや話し方やなども、どっかで会ったことがあるようなという感じがする。英国ではない英語圏で数年間暮らしたが、あんな登場人物みたいなキャラクターいる?と日本人なら思ってしまうけど、少なくても僕の廻りにはあんな雰囲気の奴らが結構存在していた・・(もちろん、かっこよくないキャラクター達の方)。

最近の同業者は、自分自身も含めて、ぱっと見た感じ、さほど違いがないように感じる。脱個性というか、無難というか、特に僕らの世代はスマートでスタイリッシュさに敏感で皆さんおしゃれでかっこいいと思う(自分は除外)。でも、同じもの観て、同じものを目指しているようで毒気みたいなものがないとか、今までの古いものの枠にはまっていないけど、グループとしては同じ枠にはまっているような感じもする。脱線するのを少々恐れているのかもしれない。今後は少しずつ、ロック・ストックの脇役のようにちょっと毒を出していこうと感じている。それでいてガイ・リッチーの映画のようにスタイリッシュだったら言うことないなあ~。

 

2011/08/04

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