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カラス

 

今まで意識したことはなかったが、最近「カラス」にまつわることが身の回りに多い。今の日本では、害鳥としてのイメージ、カラスを縁起が良くないとか、不気味と思ってしまうのは明治以降の西洋的な思考で考えているからで、日本では古来より吉兆を示す鳥である。世界各地でも悪いイメージはそんなに少なく、神の使いと考えられていたり、賢い鳥などと考えられていて、神聖な鳥と考えられている。おそらく、毎日目にするTVなどで流れる西洋的なものに影響された映像や、真っ黒な色が日本人の中でネガティブなものと捉えてしまったのが原因なのかもしれない。
カラス

少し前にに牛王法印を手に入れてヤタガラスの文字を見たとき、バンドの「ブラッククロウズ」をよく聞いていた頃住んでいたカナダのロッキー山脈にあった「クロウフット氷河」を思い出した。ロッキーにはたくさんのネイティブカナディアンの付けた名前が多く残っていて、このクロウフット氷河もそういうもののひとつ。彼らの使っていたそのまま言葉でつけた地名も多く、母音と子音で発音できる言葉や超自然崇拝の彼らの宗教観、価値観は英国の思想が強いカナダに置いて日本人として、同じモンゴロイドとしてDNAの記憶としか言いようがない懐かしさを感じた。そんなふうにカナダを懐かしく思っていると住んでいた地域が豪雨で甚大な被害を受けたニュースが飛び込んできたのである。古い友人達も被害にあったようだ。ほとんど水害などの被害がない地域だけに心配だったが、現在はものすごいスピードで復旧しているらしいので少しほっとしている。しかし、ヤタガラスから連想して思い出していたところなので不思議に感じる。カラスがずっとメッセージを送っていたのだろうか?思い込みや偶然もあるだろうが何か言葉では説明できない力が影響しているのかもしれない。

ちなみにクロウフット氷河は形がカラスの足に似ていることからそういわれているそうだが、今は1本崩れてしまい2本指になっている。地球温暖化が原因と考えられているがこれも人間に対しての何かへのメッセージなのかもしれない。日本以外でも異常気象や災害は増えているような気がする。色々な原因があり、気候の変動が人間のせいとは100%とは言えないが少なからず影響は与えているだろう。何よりも人間は自分たちの力を過信するあまり自然に対するリスペクトが希薄になってきているのではないだろうか?

※その当時、大変お世話になった友人が立ち上げたブランドの名前が「corbo」、これはイタリア語でカラスのこと。僕がカナダで生活を送っていた頃のことでカラスに関係しているものがやたら多い・・・。

 

2013/07/04

 vol.144 エスノセントリズムと文化相対主義 ≪ 三坂堂通信 ≫ vol.146 室生寺