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あれから2年

 

クロード・モネ
「印象-日の出-」1897年
クロード・モネ マルモッタン美術館(パリ)

震災からもう二年も経ち、3/11を前後にTV各局もいろいろな特別番組をやっていたが復興も原発の収束もさほど進んでいないように感じる。たまに福島に帰っても倒壊した建物が綺麗に解体され一見復興が進んでいるようにも思えるが当時と何が変わったかと聞かれれば大きな進展はないように僕は感じる。

そんなTV番組を見ていると政治家が被災者と話をしている時に、何回現地入りしたかを強調していっていた。正直そんなに行っているのだったらもっと何かが進んでいても良いのにと感じる。とたん原発の汚染などの話題になると口数が少なくなり、震災当時の政権の対応を批判したりするわけで人間は自己防衛をするいきものなのだなあと生き物のとしての生々しい本能を見ているようで自分の行動も気をつけなければと思ったりもした。

僕もそうであるがこの経済優先の世界に生きていれば人間誰しも損得勘定によって、言動や行動をとってしまいがちだ。時には信念に反していてもしなくてはいけない時もあるわけでストレスを多少感じる時もあるが、社会的な立場にいる人間こそ自分の信念を貫き通さなければいけないと思う。特に公人であれば尚更だ。が、しかし時間の経過は、良くも悪くも人の気持ちを変えてしまう力がある。あれだけ、反原発に世論が動いていたかと思えば選挙でそれとは正反対の主張をする政党が勝ったりするわけで、日本人の揺れ動く気持ちを垣間見れたような気がする。公人の発言、政治の動きもそれに伴って変わっていくもので政治や世の中の流れはきっとそういうものなのだろう。今のような混沌とした世の中では自分の信念を貫くことが難しいし、環境も変化していくわけで時には軌道修正が必要なことも確かではあるが、皆あまりにも周りを気にしすぎているように思えて仕方ない。批判を恐れるあまり味気ないもの、大きな流れを恐れるあまり、骨のない信念の感じられないものになってしまったのだろうか。日本が真の成長、東日本の真の復興を達成するには僕ら日本人はもっと大きな覚悟をもたなければスタート地点にすら立てないのかもしれない。

 

2013/03/21

vol.129 私的dance考 ≪ 三坂堂通信 ≫ vol.131 アッサンブラージュ