今回は好きなアーティストについて書きました。
まだ10代だった1992年か1993年、初めてSOHOに行ったとき、路上に自分の作品を並べて売っているアーティストから箱にキャンディーの紙をコラージュしたものを買った。$20ぐらいだったと思う。それを何処にしまったかわからなくなってしまい記憶も曖昧になっていたが、それから10年以上経ちJoseph cornell(ジョセフ・コーネル)を知ったとき、その記憶が鮮明によみがえってきたことを覚えている。
SOHOへの目的は当時人気のストリートウェアーStussyのNY店に行く為、道すがら、ふるい倉庫を改装したショップやギャラリーを見てかっこいい~と思い、ストリートカルチャーの西と東の違いも感じた。クラブで流れる音楽も違った。そんな新鮮な気分がストリートアーティストから作品を買わせたのかも知れない。
数年前のブログにも書いたが、インテリアにはコーネルの箱を思わせる空間がちらほらある。彼への一種のオマージュのものもあるだろうし、そのオマージュをオマージュしたものあるだろう、ただ単にそのパクリもあるかもしれないし、コーネルを知らずに空間を演出していることもあるだろう。影響力のあるアーティストだけに、その影響は知らず知らずに人の意識に浸透しているのかもしれない。
僕が作品を買ったアーティストもコーネルが居たNYに住み、生きる時代は違っても同じ何かを感じていたのかもしれない。 そう考えると少なからずコーネルとつながりをもてたような気分になれる。
コーネルは内向的でジャンクフードを愛し、古道具やガラクタを集め製作に没頭していたことは良く知られているが、実は最新の科学と天文学に強い興味を持っていたらしい(事実、膨大な資料をスクラップしていたとのこと)。彼の作品には一般的に評される「小宇宙」を強く感じるはそのような背景があるからなのだろう。しかし、同時に矛盾するようだが「ア二ミズム」のようなものを強く感じるのは僕だけだろうか?モノが溢れる大都会に住み、多種多様なものをコラージュし一見難解なような作品だが、素朴(シンプル)なひとだったのではないだろうか。
2010.12.02