Damien Hirst (ダミアン・ハースト)

Artwork for the Red Hot Chili Peppers album,  I'm with You by Damien Hirst (2011)

Artwork for the Red Hot Chili Peppers album,
I’m with You by Damien Hirst (2011)

ちょっと前まで(今もかな?)にアート界を賑わしていた英国の現代美術家。ちょっとアートが好きな人ならその名を耳にしたこともあるかも知れない。作品が好きか、嫌いかは別問題としてメディアの注目の集める彼の作品達を僕なりの視点で考察してみたい。

ホルマリン漬けの動物、輪切りされたもの達を家に飾りたいかと聞かれたら正直答えはNOだろう(所有に関しては迷います。なにせ金額が・・・)。皆さんもそうだとは思うけど、僕はあくまで身近な空間に置きたいか、置きたくないかがその判断のおおよそを占めているので答えはそうなってしまう。

Damien Hirst

For the Love of God by Damien Hirst
(2007)

コンセプチュアル・アートは、様式に囚われず物事を問いかけると言う行為なのだろうと僕なりに理解している。それを観た人が自分の中でイエスかノーかを自分で決めることが出来るし、もしくはどちらでもないかもしれない、そういうものだろうとは思っている。ダミアンの作品はレディーメイドで尚且つ死の象徴みたいなものを直説的にバランスよく構成しているように感じる。デュシャンなどとの違いは見るものへ訴えかけるレスポンスの早さだ。描写はより直接的になることにより、考える時間が短いのではと考えている。答えがはっきりとしている点はより欧米的で現代的だ。アート以外でも世の中すべて死や怒りみたいなものはセンセーショナルでレスポンスも早い。コンセプチュアル・アート以外世の中のすべてのものがレスポンスの速さを求められているのかもしれない。古道具や骨董、古美術の分野でもおそらくそうなのだ。

日本で育った僕にはどうやら直接的な表現よりもちょっとまわりくどい間接的な表現の方が受け入れ易いようだと彼の作品を観て認識した。つくづく日本人であることを確認できたことだし、こういう答えを導き出してくれる彼の作品はやはり世界的に注目されるだけの大きな魅力があるのだろう。

ということは僕は時代の求めているレスポンスを持ち合わせていないという結論が・・・。

 

2011/09/08

vol.50 灯りの道具 ≪ 三坂堂通信 ≫ vol.52 日本の武具