古格ある銅製の水桶。重厚でありつつも縁のつくりなどは非常にシャープ。つるの装着部分の下部にある別素材の銅金具は後補、注ぎ口があったと思われる部分の穴を銅金具で埋め込んでいます。破損したのでしょうか、水次(水注)を桶に転用したもののようです。オリジナルの装飾のような、まったく違和感のない高い技術による仕事で、この後補もこの桶の大きな魅力。当時、銅製品は高価なものですので、修理し大事に使っていたのでしょう。もしかしたら、閼伽桶として転用し使っていたのかもしれませんが、帯がありませんし、もともと水次の生まれでありますので銅製桶としました。岐阜市「願成寺(創建・伝)672年)」金銅華瓶とともに境内付近より、本品と同じ特徴をもつ、底に小さな足が三本あるほぼ同タイプ(本品はやや大きめ)の鎌倉時代初期とされる桶(閼伽桶と表記)が出土していますので同時代と考えて良いかと思います。箱無。
岐阜県webサイトでの同手掲載ページ
直径 13 高さ(淵まで) 10.5 (cm)
売約済 ありがとうございました。