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古いものの魅力?

古いものの魅力?古いもの魅力とはいったんなんなんでしょうか?私事ですが、自分自身どう思うか、ちょっと考えてみました。

僕がティーンエイジャーだった80年代後半~90年代初頭、古着がかなり流行りました。リーバイスやリーなど初期のものは、バブルの余韻もありますが、かなり高値で取引されていました。田舎の高校生だった僕は、地元にあった古着を扱う店に頻繁に通いファーストだとかセカンドだとか、ほしいなあと思いながら観ていました。おそらく、それが「古いもの」の魅力にはまった第一段階だと思います。その後、西海岸のストリートアーティスト達がイームスなどのオーガニックデザインを取り入れたスタジオやアトリエのインテリアを写真で観て「かっこいい」と衝撃を受けたのを覚えています。当時は雑誌やマスコミの影響もありますが、かなりアメリカンナイズされていましたし、ファッション、音楽、映画(スパイク・リーが好きだった。)などアメリカのものが1番みたいな感じでした。全くもって、日本の古いもの(社寺仏閣など)には興味はありませんでした。正直、「じじくせえ~」と感じていましたし・・・。その後、海外で数年間暮らす機会に恵まれて日本人ということや日本の文化、自分自身のルーツを考えるようになりました。他民族の住む国ではそれらをを語る機会が多く、アイデンティティーやナショナリズムみたいなものが希薄なのが思い知らされました。それから少しずつ日本の古いものに興味を持ち始めたような気がします。かといって、アメリカやヨーロッパのもが嫌いなったわけではなく、むしろ以前より興味はあります。最初は室内空間に興味を持ち、建築や装飾そして古道具、民藝、古美術にその興味は向いてきたようです。古美術商だった祖父や古いものが好きだった両親の影響もあったかもしれませんが、ふと気がつくといつの間にか古いものを扱っていました。ここ最近思うことは、古くて、美しいものを探求することは、自分を見つめることに似ています。一度入り込むとなかなか抜け出せない変な魅力がありますので、皆様も気をつけて下さい。未だ「古いものの魅力」を充分語れるレベルまでいっておりませんが、身近にそれらがあることで日常が少し豊かになることは間違いないと確信しています。今後も「古いものの魅力」を探求していきます。

 

2010.09.09

三坂堂通信 ≫ vol.2 インサイダーとアウトサイダー