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ルイーズ・ネヴェルソン

ルイーズ・ネヴェルソン 以前、ここで書いた箱のアーティスト「ジョセフ・コーネル」と同じように箱のアーティストとして好きな「ルイーズ・ネヴェルソン(Louise nevelson)」について今回は書こうと思う。

ルイーズ・ネヴェルソン彼女の作品は簡単に言えば、アッサンブラージュになるのだろうか?僕は最初、彼女の作品に対しててっきり男性が作ったものと思っていたが女性の作品と言うことで驚いた。テーブルの脚、便座、取っ手、素材の質感、それらを黒く塗る(特に初期のもの)独特の漆黒の雰囲気を勝手にそう思い込んでいたのだろう。しかし、ぱっと見た、硬く、順序だてたような印象とは対照的に、じっくりと全体的に観察すると柔らかく、そしてロマンティックな印象も見え隠れしている。僕の勝手な印象だが、コーネルよりもネヴェルソンのほうが、日本人には受け入れ易い表現なのではないかと感じる。彼と同様、限られた空間に広がる無限の宇宙のような世界観を感じるが、彼にはない統一感は、より原始的にも感じるし、近代的な建築物をもイメージさせるようで80-90年代の日本の建築物やファッションとどことなく通じるものがあるからかもしれない。後に知ったことだが、下記の画像の作品「ROYAL TIDE Ⅰ」は日本の能の衣装からインスパヤードされ製作したものらしい。原始的なエッセンスと近代的な都会的なエッセンスを感じる彼女の作品はどこか日本の古典的なものと交わるようで面白い。

アウトサイダーアートとして捉えられている場合が多いが、彼女自身は美術の教育も受けているし、良い意味で非常に緻密に計算しながら製作された印象を受けるのでそれとは違う感じもする。しかし、そんなことは関係なしに観た人がどんな風に感じるか、自分自身がどう捉えるかが大事なんだなあと文章を書いていて改めて感じた。

 

2011/03/24

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